多摩動物公園の概要
多摩動物公園は東京都日野市の丘陵地にある動物園です。国内の動物園でも有数となる50ヘクタールを超える広大な敷地に、170種1500匹ほどの動物が展示飼育されています。
当初は上野動物園の分園という形で開園されました。動物たちが自由に動ける無柵放養式展示を導入したり、上野動物園にも居ない動物を展示飼育したりなど、決して上野動物園の下位互換ではなく、国内有数の見どころのある動物園となっています。
園内の動物は生息地域によって、アジア園、アフリカ園、オーストラリア園に分かれています。広い敷地内の移動手段として無料の園内バスがありますので、疲れたら素直に乗ってしまいましょう。園内は広いことに加えてアップダウンが激しいので、公園ではなく山を歩くくらいの心構えと服装が良いです。上野動物園のような感覚で、ヒールやサンダルで行くのはお勧めしません。また酷暑の時期に、特に小さなお子様を連れて行くのもお勧めできません。春先から初夏、秋などの行楽シーズンでこそ楽しめる動物園だと思います。
園内には何か所かレストランやカフェがあります。ただ、園内の広さに比べると食事スポットが少ないと感じるかもしれません。軽食やお弁当を持参するのもお勧めです。さらにレジャーシートを持参するのも良いですが、ベンチが点在しているのでお弁当を食べる場所には困らないと思います。
15時を過ぎたあたりから開園中でも見れなくなる動物が出始めるので、午前中から行くことをお勧めします。
多摩動物公園の見どころ
コアラ
ユーカリをむしゃむしゃ食っちゃ寝する多摩動物公園の人気者です。
のんびりしている姿を楽しみましょう。
寝る時間の長い動物なので、活発に動き回る姿はあまり期待しないでください。
因みにコアラの餌やりの時間は13:30です。
あまり動かないと言われるコアラも、餌の時間はしっかりと動いてくれます。
可愛く動く姿をしっかり目に焼き付られます。
土曜日には10:00~11:30、13:00~14:00の時間帯(雨天中止)で、ボランティアの方によるスポットガイドが実施されています。
オランウータンのスカイウォーク
オランウータンは木の上で生活し、非常に強い握力と、脚の倍ほどもある長い手を持ち合わせています。
そのため、手をメインに、脚は添えるだけ、という感じの軽やかな動きをします。
多摩動物公園では、そんなオランウータン本来の特性を引き出し、ロープを使って軽やかに移動するオランウータンの姿を見ることが出来ます。
野生下では木の枝を使って木から木を移動しますが、ロープ移動でもどんな動きをしているのか十分に分かります。
見ごたえがあるのですが、雨天、冬期、35度を超える猛暑日はお休みと、お休みになる可能性が割と高い点は留意してください。
なお、オランウータンのスポットガイドも、日曜祝日の11:00~12:00、13:00~15:00(雨天中止)に実施されています。
バードゲージ
クロツラヘラサギ、クロトキ、ツクシガモ、カルガモ、マガン、コクガン、ナベコウ、ニホンコウノトリ、タンチョウ、オグロヅル、ソデグロヅル、ムラサキサギなどを放し飼いにしている施設です。
色々な種類の鳥との間には、これ以上入らないでくださいという意味のロープだけがあります。鳥の移動を遮る柵などは無く、鳥と近い距離で触れ合えます。鳥が足元に近づいてくることもあります。
その反面、間違って踏んでしまうことの無いように、特にお子様連れの方は注意してください。
春先から初夏にかけては、雛鳥を見かけることが出来るかもしれません。
冬期は鳥インフルエンザの流行など、展示を中止せざるを得ない要因があることには注意してください。
ワライカワセミ
その名の通り、笑っているかのようなとても特徴的な声で鳴く鳥です。
笑い声を聞くとこっちまで楽しい気分になります。
大きく口をあけて笑う姿が可愛らしいです。
モグラのいえ
ログハウスのような外観をしている、モグラを飼育展示している施設です。
モグラは土の中で生活しているので、出会えるかどうかは運の要素もあります。
施設内には、モグラの生態をQ&A形式で、モグラ先輩が素朴な疑問に答えるコーナーがあります。毒舌でキレのあるモグラ先輩の皮肉の効いた回答がとても面白く読めます。
タスマニアデビル
物騒な名前とは裏腹に可愛い姿をしている有袋類の肉食動物です。『デビル』とついていますが、別に人に害を与えるようなことはしません。耳が赤いことがデビルと呼ばれる由縁のようです。日本でタスマニアデビルを見られるのは、2020年末時点で多摩動物公園だけです。
昆虫園
多摩動物公園は昆虫類の展示にも力を入れています。
まずは、見た目も様々な15種ほどの多くの蝶が舞う中を歩くことが出来る、昆虫生態園があります。昆虫生態園は温室となっており、冬でも蝶が飛び交っています。
他にも昆虫館本館では、珍しい昆虫に出会えたり、標本や模型の展示を行っています。虫がどうしても苦手な方でなければ、一度は行ってみても良いかと思います。誰かと一緒に行く方は、同行者に虫は平気かちゃんと確認しましょう。もし虫が嫌いな人を不意打ちや無理に昆虫園に連れて行って、友人との関係が険悪になったり、デートがぶち壊しになったりしても、当方は責任を負いません。
多摩動物公園の行き方
公共交通機関を利用する場合、京王線、多摩モノレール「多摩動物公園駅」を下車し、徒歩1分で行けます。東京の主要駅から多摩動物公園駅までの所要時間ですが、東京駅から1時間ほど、新宿駅からは45分程になります。
因みにモノレールを利用する方向けに、多摩モノレール1日乗車券と多摩動物公園の入園券がセットになったセット販売があります。料金は1000円で、多摩モノレールの券売機で購入することが出来、どの駅からでも利用できます。
例えば立川南でモノレールに乗り換えるなら「多摩動物公園駅」と「立川南駅」の間は320円、往復で640円です。そして多摩動物公園の大人の入園料は600円です。合わせると1240円になり、セット購入した方が240円お得になります。65歳以上の方は多摩動物公園の入園料が300円に割引されるので、計算の際は注意してください。
モノレール1日乗車券なので、他の駅に寄り道しても大丈夫です。高幡不動や立飛(立飛ららぽーと)を予定に組み込む場合も、1日乗車券の範囲内で行けます。自動改札機で乗車券の取り忘れには注意してください。
車を利用する場合は、中央自動車道「国立府中」ICより20分ほどです。動物園の周りに駐車場は何か所かありますが、GWなどのオンシーズンは周辺の駐車料金が露骨に上がる点には注意してください。
近場には四季の自然を楽しめる昭和記念公園などもありますが、あまり観光スポットと言えるものはないです。とはいえ、この動物園だけで結構な時間を食うので、別に問題ないかもしれません。むしろ全部回りきろうとすると、多摩動物公園だけで1日終わってしまいます。園内を軽く見ようとするだけでも2~3時間は当たり前にかかるので、それも計算に入れて行き方を考えましょう。
※2020年12月時点の情報で記事を作成しています。