大久野島の概要
風光明媚な島々が点在し、1年を通して穏やかな瀬戸内海地域に属する広島県竹原市の沖合には、大久野島という周囲約4キロの小島があります。
タイトルにも入れていますが、この島に野生のうさぎが多く生息しています。
島内のどこに行ってもうさぎと会えるこの島は、うさぎ島とも呼ばれ、うさぎ好きの聖地になっています。
また、元々はこの島で毒ガスが製造され、機密保持のために地図上から消されていたという歴史もあります。その時の設備や、戦時中の施設が、風化して島の所々に残っています。廃墟好きの琴線にも触れるものもあります。廃墟好きな方は大久野島の風化した発電施設などを目にしたことがあるかもしれませんね。
大久野島のうさぎ
なぜ大久野島には多くのウサギがいるのでしょうか。
実は、毒ガスを製造する際に、ウサギが実験用に使われていました。その実験用のウサギが生き延びて繁殖したのです。
という説がありますが、デマです。創作としては心にしみるものがありますね。戦後、小学校で飼っていた8羽のウサギが放され、繁殖したという話が有力です。
現在何匹居るかは情報元によって大きく変わります。700匹だったり、1000匹であったりします。大久野島のうさぎは野生動物なので、あくまで誰にも管理されていないため、正確な数値はわかりません。
そもそも、春先や冬など、季節によってもうさぎの数は大きく変動します。目安として考えましょう。それをふまえても、何となくいっぱいいるということで正解です。島を歩けばウサギに当たるくらいにはウサギが居ます。
大久野島のウサギは巣穴をほって生活する、アナウサギという種類のウサギになります。島の色々なところでウサギの巣穴を見ることが出来るでしょう。
ウサギの活動跡のウサギの糞も色々なところに落ちています。
歩く際には注意してください。
大久野島の見どころ
やはり、うさぎに餌付けして回るのがとても楽しいです。
子ウサギ、団子になっているウサギ、一人ぽつんと佇むウサギ、色々なウサギに出会えます。
ウサギが好きな方は1度は訪れて損は無いでしょう。
廃墟になった場所へもウサギは居るため、他では撮れない素敵な写真が撮れるかもしれません。
島では夕焼けも綺麗に見えます。ただ、夕焼けが見える時間まで大久野島に滞在するかは、フェリーの時間と兼ね合いになります。早く日が沈む冬場に行くと、フェリー出航に間に合う時間に夕焼けを見ることが出来ます。
大久野島は滞在して楽しい島ですが、注意点として、ゴミを出さないようにする、ウサギを傷つけないようにするなど、ウサギや環境への配慮を忘れないようにしましょう。大久野島のウサギはあくまで野生動物であり、誰かに管理されているわけではないことを忘れてはなりません。大久野島のウサギは動物園の生き物と違い、何かあっても助けては貰えないのです。
特に、過剰に用意した餌をぽーんと置いて帰る方がいます。ウサギの餌になるし、良いことしたな…と思うかもしれませんが、それをウサギが食べきれない場合、高い確率でカラスの餌になります。カラスはウサギの子供を襲うので、カラスに餌を与えるということは結果的にウサギを苦しめる行為になります。
SNSやブログでウサギを抱っこしている写真や動画もありますが、禁止行為です。抱っこしようとしてウサギが驚いて、けがをする場合もあるからです。大久野島のウサギは野生動物なので、もし怪我をしてしまったらその後生きていくのは難しくなります。抱っこに限らず、ウサギにけがを負わせないように注意が必要です。
禁止行為ですが、それでもウサギと触れ合いたい…というウサギ好きな方がこの島に行くかと思います。餌をうまく使って、ウサギの方から来てもらいましょう。自分の膝の上などにウサギの方から来るのは問題ありません。要はウサギを驚かせて怪我をさせなければいいのです。
餌をうまく使ってウサギに動いてもらいましょう。餌を食べるために立つウサギの姿はとても可愛かったです。
ウサギは噛むこともありますので、触れ合う際は自己責任です。特に小さなお子さんをお連れの場合は、お子さんから目を離さないでください。
ウサギの餌
餌付けして回るとなると、そう、ウサギに与える餌が必要ですね。大久野島ではウサギの餌は販売していません。大久野島へ来る前に忘れずに調達しましょう。
忠海港を利用するのであれば、港で1つ200円で買うことが出来ます。ウサギ用のペレットです。
キャベツやニンジンなどを用意していくのもありです。三原港を利用するのであれば、港へ行く前にスーパーに寄るという選択肢があります。
ウサギはNGな食べ物が結構あります。パンやお菓子などは勿論、ジャガイモやネギ類もNGです。果物は大好きですが、糖分が多いため、あげすぎはよくありません。ウサギの体は人の何十倍も小さいことを忘れないでください。
ということで、小松菜、キャベツ、ニンジン、白菜、水菜など、無難なものを持っていきましょう。ペットとしてウサギを飼っている方は、ウサギの餌をそのまま持っていけばよいと思います。
再度になりますが、餌が余っても持ち帰りましょう。また、道路上ではレンタサイクルなどが通ることもあり危険なため、道路で餌をあげるのは避けましょう。餌を食べているウサギはレンタサイクルを避けられなかったり、避けようとして怪我をすることもあります。お腹が空いているウサギであれば、餌を見せびらかせば道路でない場所まで誘導できます。
もしウサギの餌を忘れてしまったら…島を歩いていれば、他の人が与えすぎたペレットや野菜が島に点在しています。それを拾ってリサイクルしましょう。その場所のウサギはお腹いっぱいでも、別の場所のウサギはお腹を空かせているかもしれません。資源の再分配です。
国民宿舎休暇村
ウサギを探して歩くのは楽しいのですが、歩きっぱなしは疲れてしまうので、休憩を入れましょう。
国民宿舎休暇村では軽食を取ったり、温泉に入ることが出来ます。宿泊することもできます。
ウサギと会うために歩き、疲れたら温泉で一休み…も良いですね。
日帰り温泉はお手頃価格(大人420円、2020年現在)です。ただ、受付11:30~14:30 15:00入浴終了と、時間が短めな点には注意してください。
周囲に民家などない離島のため、星も綺麗に見えるので、一泊するのもありですね。宿泊すると、夜のウサギ、朝のウサギを見ることが出来ます。アナウサギは夜行性なので、活発な姿を見れます。
大久野島の行き方
大久野島は陸路で行けず、最終的にフェリーで大久野島へ行くことになります。
そこまでは車or公共交通機関になります。私は精神年齢があまり高くないのか、フェリーで移動するというだけで気分が上がります。特に天気の良い日のフェリー移動は気持ち良いですね。
車の場合はあまり考えず、忠海港を目指しましょう。
忠海港から15分で大久野島へ到着します。
公共交通機関を利用するのであれば、まずは土日限定の行き方になりますが、JR三原駅から高速船を使う方法をお勧めします。
というのは、忠海駅まで移動してからフェリーを利用する方法だと、忠海駅までの電車本数が1時間に1本レベルなため、乗り換えで時間がかかるためです。電車に乗る時間よりウサギと遊ぶ時間が多い方が良いですよね?
具体的なフェリーの時刻表は以下からご覧ください。
のぞみが全て停車する岡山駅と広島駅からの行き方例を記載しておきます。
岡山駅⇒(新幹線で36分)三原駅⇒(徒歩10分)三原港⇒(30分)大久野島
広島駅⇒(新幹線で24分)三原駅⇒(徒歩10分)三原港⇒(30分)大久野島
※三原駅⇒(JR各駅20分)忠海駅⇒(徒歩10分)忠海港⇒(15分)大久野島
一見、三原港ルートでも忠海港ルートでも良いように見えますが、乗り換え検索してみると、三原駅での待ち時間の長さに?となるかもしれません。三原駅であまりに待ち時間がかかるようなら、途中下車して三原名物のタコ料理やタコ天を求めに行くのもありです。三原地域のタコは流れの速い海域で育つため脚が太くなり、食べ応えがあっておいしいです。
これとは別に、四国方面から行く方法もあります。
しまなみ海道の中ほどにある大三島の盛港から出航するフェリーで、大久野島まで15分です。
東京やそれより遠い方は、飛行機で広島空港まで行くルートを使うかもしれませんね。広島空港からのルートだと、多少のお金はかかりますが、タクシーを使ってしまうのが手っ取り早いです。
広島空港(タクシー25分)忠海港⇒(15分)大久野島
となります。この場合のタクシー料金目安は6000円で、一人だと高いですが、3人ほどで利用するなら大分割安になります。広島空港からバスなどを利用すると、安くはなりますが遠回りなので時間はかかります。
最後に、フェリーの最終出航時刻は割と早く、乗り遅れると島へ取り残されることになります。フェリーの乗船時刻は非常に大事になってくるので、必ず事前にチェックしておいてください。
※2020年12月時点での情報を基に記事を作成しています。